学校や病院などから200メートル以内で風俗案内所の営業を禁じる京都府条例が営業の自由を保障する憲法に反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は20日、条例を違憲とした1審・京都地裁判決を取り消し、合憲と判断した。

 中村さとし裁判長は「案内所は多数の風俗店を広告で積極的に宣伝し、外部から店内も見える。周辺への悪影響が大きく、規制は合理的」とし、府を相手に制限なく営業できるよう求めた原告の男性の請求を棄却した。

 府風俗案内所規制条例は2010年11月に施行され、未成年が訪れる公共施設周辺での案内所の営業を禁じ、罰則も規定。男性は京都市の繁華街・木屋町で案内所を営み、11年2月、同条例違反容疑で逮捕され、不起訴(起訴猶予)になった。

 昨年2月の1審判決は、府が制定する別の風俗営業法施行条例がキャバクラなど接待飲食店の営業禁止区域を学校などから70メートル以内としており、案内所の規制を接待飲食店より強めて200メートル以内としたことに明確な根拠はないと判断。70メートルを超える場所での案内所の営業を認めた。

 これに対し、中村裁判長は、男性の案内所では風営法に違反して性的サービスを提供する接待飲食店を紹介していたとし、「案内所は集客施設として機能し、違法な性風俗店と結びつきやすく、弊害が大きい」と指摘。接待飲食店より案内所を厳しく規制した府に裁量の逸脱、乱用はなく条例は憲法に反しないとした。

 風俗案内所を規制する条例は、東京や大阪など8都府県にもある。


http://www.yomiuri.co.jp/national/20150220-OYT1T50078.html