愛知県警捜査4課が、名古屋市中区錦3にある風俗店グループ「ブルー」の店舗への家宅捜索を行ったことが分かった。県警は容疑を明らかにしていないが、関係者によると風営法違反容疑とみられる。グループの実質的経営者、佐藤義徳被告(56)=脅迫罪などで公判中=は指定暴力団山口組弘道会と密接な関係にあり、捜索は弘道会の資金源を断つ狙いがある。

 家宅捜索は26日午前10時半ごろに始まり、約2時間後に段ボール箱を抱えた捜査員らが店から出た。パソコンや帳簿類を押収した模様だ。

 捜査関係者によると、佐藤被告が脅迫容疑で逮捕された今年1月時点で、キャバクラやホスト店など約20店舗がブルー傘下にあり、このうち性風俗店は約10店舗だった。いずれも佐藤被告が実質的に経営していたとみられるが、別の人物や法人が名義人になっており、県警は風営法違反(名義貸し)容疑で捜査を進めている。

 既に個人名義だった数店舗は捜査が進む中で閉店した。ただ、法人名義の店舗は立件のハードルが高く、4課は今回の捜索で押収した資料から法人名義の店舗の経営実態の解明などを目指すとみられる。

 佐藤被告は2009年に自宅の新築計画に対する反対運動が起きた際、住民説明会で「風俗業に投資はしているが、経営には関わっていない」と説明。また周囲には「いずれは病院や学校を経営したい」と語っていた。県警は、佐藤被告が社会的信用を得るため、名義貸しにより風俗店とは無関係と装おうとしたとみている。

 佐藤被告は10年夏ごろ、自宅建設が周辺住民の反対で頓挫したことを県警組織犯罪対策課の警部による妨害と邪推。警部に脅迫電話をかけたとして、今年1月に逮捕、起訴された。9月には県警捜査1課の別の警部に車両情報の漏えいを依頼したとして、地方公務員法違反(そそのかし)容疑でも逮捕され、処分保留となっている。

http://mainichi.jp/select/news/20131127k0000e040239000c.html